『アルバトロスは羽ばたかない』七河迦南╎言葉遊びの妙
アルバトロスは羽ばたかない (創元推理文庫) [ 七河迦南 ]
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この作者さんは言葉をいじるのが非常に巧い。
最初の冬の章で「ひょっとして転落したのは別の人物?」と思った(さすがにあの人とは思わなかったけど……!)のに、その後あまりの自然さにそんなこと忘れていってしまいました……。読了後、冬の章を読み返すと尋常でなく面白い。
ただ、それが感心であって、感銘でないのが惜しいところです。
どうも私は本当に春菜ちゃんのことが嫌いみたい。努力が真っ直ぐに報われてきた彼女が言う綺麗事には、苛々する。子供たち、もっと反発するだろうと……。でも、佳音ちゃんにとって彼女が大切な人だということはすっと理解できました。
春の章、それから全編のラストに出てくるミヒャエル・エンデの名言が染みる。