いろどりの記憶書庫

読んだ本やお芝居の感想など♪

『きみはいい子』中脇初枝╎大丈夫だよ、いい子だよ。

きみはいい子 [ 中脇初枝 ]価格: 1540 円楽天で詳細を見る 私のはここまでひどくないけど、わかるところが沢山あった。こういうのがわかる人間でよかった。 この本を読んで、私は自分を悪い子だと思ってて、「大丈夫だよ、いい子だよ」って言ってほしかった…

『アルバトロスは羽ばたかない』七河迦南╎言葉遊びの妙

アルバトロスは羽ばたかない (創元推理文庫) [ 七河迦南 ]価格: 1034 円楽天で詳細を見る この作者さんは言葉をいじるのが非常に巧い。 最初の冬の章で「ひょっとして転落したのは別の人物?」と思った(さすがにあの人とは思わなかったけど……!)のに、そ…

『体育館の殺人』青崎有吾╎さくさくとライトに楽しめるミステリー

体育館の殺人 (創元推理文庫) [ 青崎有吾 ]価格: 858 円楽天で詳細を見る キャラ設定や展開、ミステリーの難易度がゲームみたい。さくさくと、ライトに楽しめました。 裏染&香織のコンビも好き。 ちょっと裏染くん持て囃されすぎだったり、実際のアニメの…

『ノエル a story of stories』道尾秀介╎とっても素敵な物語集

ノエル a story of stories (新潮文庫) [ 道尾秀介 ]価格: 649 円楽天で詳細を見る 既読の「光の箱」同様、どの話も温かい希望に包まれた結末でした。 童話もとても優しくて、暗いときでもささやかで温かな光を見つめながら生きていくためのメッセージが込…

『終点のあの子』柚木麻子╎自分の気持ちを指摘されたり掬い取ってもらったり

終点のあの子 (文春文庫) [ 柚木 麻子 ]価格: 627 円楽天で詳細を見る 『魔法使いの心友』が面白かったので、柚木麻子さんに初挑戦! とっても良かった~。登場人物のみんな、変わり者の朱里にさえも共感できるところがあって、自分の気持ちを指摘されたり…

『光圀伝』冲方丁╎人間を描いた、小説ながらの「歴史」の書

光圀伝 上 (角川文庫) [ 冲方 丁 ]価格: 836 円楽天で詳細を見る 光圀伝 下 (角川文庫) [ 冲方 丁 ]価格: 836 円楽天で詳細を見る 前作『天地明察』では師と呼ぶべき人々が印象に残りましたが、今回は夢を共に追い求めた朋友の存在に心を打たれました。 …

『水の柩』道尾秀介╎絶望しろと言うのでもなく、私たちを転ばすためでもなく

水の柩 (講談社文庫) [ 道尾 秀介 ]価格: 726 円楽天で詳細を見る 笑子さんの「とにかくぜんぶ忘れて、今日が一日目って気持ちでやり直すの」に励まされました。 それから印象に残ったのは、蓑虫の話。 ああ、私も他人を外面だけで判断してしまうなぁ、私…

『ガレキノシタ』山下貴光╎どこまでも、真っ直ぐな男

ガレキノシタ (実業之日本社文庫) [ 山下貴光 ]価格: 662 円楽天で詳細を見る 切迫した状況の中、登場人物の語り口があまりにも冷静で……感情移入できなかった。 「瓦礫の下」という特異な設定である必要性を感じない章もちらほら。 しかし、北野直人という…

『ロートケプシェン、こっちにおいで』相沢沙呼╎ときめいて、きらめいて、たまらないのです。

ロートケプシェン、こっちにおいで (創元推理文庫) [ 相沢沙呼 ]価格: 858 円楽天で詳細を見る 一つ一つの言葉がきらめいて、ときめいて。 小さなことで胸がいっぱいになって悶えたりにやけたり、素敵なはじまりのあの頃を思い出させてくれるような。

『ツナグ』辻村深月╎いなくなった後でも、あなたのために生きられたなら

ツナグ (新潮文庫 新潮文庫) [ 辻村 深月 ]価格: 781 円楽天で詳細を見る 私が使者に依頼することができたら、誰に会いたいか――勿論、考えた。 「生者の都合で死者を消費する」なんてことに思い至らなかった私は、とても傲慢なのかな?でも、私はもし自分…

【朗読劇】うち劇 サプライズ!~偽りの聖女~

配信期間中に感想書きたかったのだけれど、遅くなってしまった。。。 はやまる目当てで鑑賞。 話のオチは読めたけれど、ななみんの発狂演技がめちゃくちゃ良かったです。豹変する前のおっとりボイスも良き。 はやまるにはなんちゃってボブしてほしかった……。

【映画】『ピーターラビット』最初は可愛くないと思っていたのに……

ピーターラビット【Blu-ray】 [ ローズ・バーン ]価格: 1650 円楽天で詳細を見る 最初は可愛くねぇウサギだな……と思っていたのだけれど見ているうちに愛着が湧く、名探偵ピカチュウパターン。 マグレガーさんがとにかく良い味出してて最高だった!!! 続編…

『少年の改良』町田康╎ぐるぐるワールド

少年の改良 (Kindle Single) 作者:町田 康 Amazon Publishing Amazon この作家さんは多分苦手だと思っていて、読み始めてみて最初は「お?そんなことないかも」と思ったのだけれど、ページが進むにつれてやっぱりよくわかんなかったです!(号泣)

『いちばん悲しい』まさきとしか╎どうしようもない切なさやるせなさ

いちばん悲しい (光文社文庫) [ まさきとしか ]価格: 880 円楽天で詳細を見る ついに紙の書籍を購入、まさきとしかさん……! 帯には「イヤミスを超える…!」みたいに書かれていましたが、私はイヤミスというよりもどうしようもない切なさだとかやるせなさだ…

『空席』今野敏╎読みやすい警察小説

空席 隠蔽捜査シリーズ (Kindle Single) 作者:今野 敏 Amazon Publishing Amazon 前々からあらすじ読むと結構気になる作品がある作家さんで、でも警察小説かぁ~……と思っていたのですが、Kindleで読了。読みやすかったです。 最後に美人署長が出てくるあたり…

『神様たちのお伊勢参り』竹村優希╎読んでいて心地好い神様たち

神様たちのお伊勢参り [ 竹村優希 ]価格: 641 円楽天で詳細を見る 登場するのは神様ですが、ライトで気負わずに読める感じ。 神様の個性付けが過剰でなく、それでいてその神様の特質も理解できるようにされていて、快いです。

『"文学少女"と飢え渇く幽霊』野村美月╎まるで、愛の告白のようだった。

“文学少女”と飢え渇く幽霊【ゴースト】 (ファミ通文庫) 作者:野村 美月,竹岡 美穂 KADOKAWA Amazon 再読。 当時はなかなか理解できなかった蛍の愛情が、再読することで最初に読んだときよりはすっと入るようになったかなぁ。 色々伏線入ってて、もうニヤニヤ…

『大人になれない』まさきとしか╎ポップでシニカルな中にある「親殺し」の神話

大人になれない (幻冬舎文庫) [ まさきとしか ]価格: 759 円楽天で詳細を見る 面白すぎてなぁ~~~~~!!! まさきさんの作品の中で1,2を争うくらい好きな作品かもしれない。 ポップでシニカルな作品かと思えば、そこには「親殺し」の神話がある。 …

『"文学少女"と死にたがりの道化』野村美月╎本を愛しすぎて、食べちゃうくらい大好きな物語

“文学少女”と死にたがりの道化【ピエロ】 (ファミ通文庫) 作者:野村 美月,竹岡 美穂 KADOKAWA Amazon 文学少女15周年につき再燃中~~~~! 前の読了記録を見てみたら10年前ですって!んまあ! しかし何度読んでも面白い文学少女。 話には引き込まれるし登…

『この女』森絵都╎読み終わったらその感情のまま、冒頭に戻って読み返してほしい

この女【電子書籍】[ 森絵都 ]価格: 670 円楽天で詳細を見る 久しぶりに読んだ森さんの作品。読むことができて、本当に良かった。 普通の小説は「作者が登場人物を描写する」ので、そこに書かれていることは(基本的には)事実ですが、この小説は「登場人物…

『七つの海を照らす星』七河迦南╎舞台は児童養護施設

七つの海を照らす星 (創元推理文庫) [ 七河迦南 ]価格: 968 円楽天で詳細を見る 児童養護施設が舞台の小説だけど、読み心地は重苦しくなく、サバサバとしている。でも、個人的にはもっと情感があったほうが好みかな。 登場する子どもたちはそれぞれ応援し…

『天地明察』冲方丁╎己を磨いていくということ

天地明察(上) (角川文庫) [ 冲方 丁 ]価格: 704 円楽天で詳細を見る 天地明察(下) (角川文庫) [ 冲方 丁 ]価格: 607 円楽天で詳細を見る 何をすべきで、何を残すことができるのか。 己を研鑽すること。天地の広大さ。行政の在り方。人生は積み重なっ…

『いとみち 二の糸』越谷オサム╎言葉じゃないコミュニケーションもある

いとみち 二の糸 (新潮文庫) [ 越谷 オサム ]価格: 781 円楽天で詳細を見る 前作では「いとちゃんにもっと積極的に頑張ってほしい」なんて思ってたけど、見当違いだったかなぁ、なんて。 言葉でのコミュニケーションがたどたどしくても三味線で伝える、こ…

『秋期限定栗きんとん事件(下)』米澤穂信╎冬期限定スイーツの発売はまだですか?

秋期限定栗きんとん事件(下) (創元推理文庫) [ 米澤穂信 ]価格: 638 円楽天で詳細を見る 瓜野君、惨敗。いや、勝負にすらなっていない……! 小山内さんと小鳩君の邂逅がこんなに嬉しいものとは。 やっと必要だと気付けて、伝えることができて、こそばゆ良…

『秋期限定栗きんとん事件(上)』米澤穂信╎嘘を重ねていれば、いつかそれが本当になるのだろうか

秋期限定栗きんとん事件(上) (創元推理文庫) [ 米澤穂信 ]価格: 638 円楽天で詳細を見る 小市民になりたい小鳩君と、小市民にはなりたくない瓜野君。 そして、瓜野君の目を介することによって、ますます捉えどころがなくなる小山内さん。 小鳩君は比較的…

『夏期限定トロピカルパフェ事件』米澤穂信╎「自分」という障壁

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫) [ 米澤穂信 ]価格: 628 円楽天で詳細を見る 「シャルロットだけはぼくのもの」の小鳩くんが好き! 見た目は小学生で、一見すると儚くも見える印象の小山内さん。そんな彼女が幼い口調のまま牙を剥くシーンの…

『長い廊下がある家』有栖川有栖╎火村シリーズ短編集

長い廊下がある家 (光文社文庫) [ 有栖川有栖 ]価格: 628 円楽天で詳細を見る 火村シリーズ短編集、やっぱり面白いな~!内容が凝縮されていて、読みごたえがある。 「天空の眼」はアリスが、「ロジカル・デスゲーム」は火村がそれぞれ活躍。 キャラクター…

『水底フェスタ』辻村深月╎どろりと苦い結末

水底フェスタ (文春文庫) [ 辻村 深月 ]価格: 770 円楽天で詳細を見る 今回はいまいち入り込めなかった。 蠱惑的に描写されているはずの由貴美にも、いまいち魅了されず。(最後は愛おしかったけど) 謎が明かされても「ふーん」という感じ。 結末はあまり…

『ユリゴコロ』沼田まほかる╎少し現実感が薄い

ユリゴコロ (双葉文庫) [ 沼田まほかる ]価格: 701 円楽天で詳細を見る 結局、美紗子の一人勝ち? 美紗子のキャラクター自体は嫌いじゃないけれど……現実感の薄い話が、最後の展開でさらに違和感を感じることに。 人を殺した罪って、そんなに軽いものでしょ…

『オーダーメイド殺人クラブ』辻村深月╎「中二」の描き方が巧すぎる

オーダーメイド殺人クラブ (集英社文庫) [ 辻村深月 ]価格: 792 円楽天で詳細を見る 中二病をこじらせた話。 前半のアンに「おいおい」「そうじゃないぞ、お嬢ちゃん」とツッコみながら読んでいた。 しかし私も学生時代は方向性は違えど「自分は特別」とい…